28日目 月山バックカントリー途中撤退

2022.05.03

 

ゴールデンウィーク登山4日目は山形県の月山へ。雨飾山ぶりのメンバーと2日ぶりの再会を果たし、ペアでバックカントリーを楽しんできました。

 

4月から営業を開始する変わった業務形態な月山スキー場のリフトを利用しての登山です。朝8時のリフトの動きはじめに合わせてスキー場に到着しましたが、猛烈に雪が降りしきっています。視界も悪くこのままでは出発できないな、という空模様でしたが、1時間ごとの予報では9時過ぎから月山周辺は晴れの予報となっています。まずは様子を見ることにしました。

9時過ぎには雪はほぼ止み、太陽こそ見えませんが空も若干明るくなってきました。これなら行けるだろうと準備を整えて、リフト券1回券(通常600円のところモンベル会員割で570円)を購入しリフトに乗り込みました。

今年の月山スキー場は、メインゲレンデといえる大斜面コースにクレバス(雪の亀裂)が大量に発生しているため滑走禁止になっています。

 

大斜面のクレバス

リフトから撮影した大斜面のクレバスが写真中央に写っています。でかい。これは落ちたら命はありませんね。

 

リフトを降りると看板

いつのまにか10時過ぎになりましたが、リフトを降り、出し忘れていた登山届をネット上で提出していざ出発です。

見える範囲で10人以上がBC装備で登っていきます。賑わっているなぁ。

 

姥ヶ岳

20分程登って姥ヶ岳のピークに到着しました。残念ながら視界不良です。GPSとトレースを頼りに先を進みます。

 

登りの最中にもクレバス

登りの最中にもちょっとしたクレバスがあります。近くで見るとなかなかの迫力です。

 

たまーに視界が晴れると先まで見通すことができて当分の進行方向がわかるのですが、曇り続けていると方向感覚も高度感覚もうまく働かず、ほとんどGPS頼みになってしまいます。先行者がいればそれを追いかければいいのですが、ゆっくりと登っていても次第に別のパーティを追い抜いてしまい、いつのまにかほとんど先頭に立ってしまいました。

リフト降り場から2時間程登って、晴れていれば目の前に山頂が見えるであろうあたりまでやってきました。地図の等高線からわかっていましたが、山頂手前は非常に斜度がきついです。直登はとてもではないですが出来ないので、ジグザグに歩いて少しでも斜度を緩和しながら登ります。登りの中ではこの区間が圧倒的にきつかったですね。こんな所、登れたところで降りられるのか不安になりながら歩いていました。

 

激登りをジグザグに登る

斜度がきつい区間をなんとか登り終え、山頂は目と鼻の先!というところで稜線に出るのですが、稜線に一歩出た瞬間に立っているのがやっとな程の爆風が吹き付けてきました。数十秒こらえていましたが、これじゃ到底歩けないということで、数メートル降りたところで様子を見ることにしました。

そのまま少しだけ待ってみましたが、風が弱まる気配はありません。すぐに両者異論なく撤退を決定しました。残りほんのわずかな距離だったので悔やまれますが、あの状況では撤退以外の選択肢はありませんでしたね。

激登りの区間で健脚なソロの方が自分達を抜かしていって、目の前で山頂に向かって歩かれていったのですが、無事に山頂まで辿り着かれたのでしょうか。

 

なんにせよ撤退ということで、本来板のシールを剥がして滑り始めるのですが、風が強すぎてそれどころではありません。とりあえずシールを貼ったままゆっくりと滑走して風が弱まるところまで降りていきました。

登っている最中は、こんなに斜度のきついところを降りられるのかと思っていた区間は、驚くほど簡単に滑ることが出来ました。スキーってすごいんだな。

数分滑って、大きな岩の陰でシールを剥がしたりブーツを滑走モードにしたりと準備を整えました。まだまだ視界は悪いのでGPSを頻繁に確認しながらゆっくりと滑っていきます。

 

ようやく視界良好!

下り区間の半分程を慎重に滑り降りると、ようやく視界が開けました。先が見えてしまえばこっちの物で、残りの区間は気持ちよく一気に滑り降りることが出来ました。

 

クレバスを横から眺める

山頂周辺には人はまばらにしかいませんでしたが、スキー場が近づいてくると大勢の人がBCや登山を楽しんでいるのが見えました。

斜面を大きくトラバースしながら登山道を降りていき、リフト乗り場に合流して無事下山することが出来ました。

山頂には辿り着けませんでしたが、最後には気持ちよく滑ることができ楽しい山でした。また来年以降にリベンジに行こうと思います。

 

それでは、また明日。